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ジャズとジェラルド・ジェンタ

私がジェラルド・ジェンタ氏とかわしたメールの中で、彼はジャズについてこう語っています。
「ジュネーブで過ごした青春時代、ジャズは私のアーティストとしての生涯に大変大きな役割を果たしました。私の若かりし頃、ほとんどの若者はジュネーブにあるプッシーキャッツやビクトリアホールという有名なジャズライブハウスによく通ったものです。そこでは、ルイ・アームストロング、シドニー・ベシエ、ナット・キング・コール、ディューク・エリントン、ディジー・ガレスピー、ステファン・グラッペリ、エラ・フリッツジェラルド、などのジャズ界のビックネームの演奏を聴きながら夜遅くまで過ごしたものでした。
ジャズとは、我々の世代にとっては、疑いもなく魂の奥底に深く感銘を受ける真の芸術です。ジャズプレーヤー・時計製作者・画家そのいずれであれ、芸術的創造にかきたれる人々が共有できるのは、たとえそれが絵を描くこと・音楽・彫刻・自然であろうとも、偽らざる心でしかも研ぎ澄まされた感性を持って周りのすべてのものを観察しようとする魂の叫びである。
そしてもっとも大切なことは、どんな芸術表現も心の奥底から発せられなければならないということであり、また芸術家がどんな芸術表現を選ぼうとその芸術家が彼の芸術を通して明らかにしようとしているものは潜在意識の中にあるものの具現化であるということです。
今日もジャズは脈々と生き続け、永遠に世界に共通する言語として残っていくでしょう。 ジャズ、すなわち愛・真実という言葉の発露は、その真意を認識できる人達にのみ感ぜられ、理解されるのです」と。
かなり哲学的・抽象的な表現が多く彼の意味することを十分に翻訳できたとは思いません。しかしジェンタ氏が今日まで体感し養われた感性の蓄積が現在の天才ジェラルド・ジェンタ氏の作品となって表現され、ジャズが彼の作品に大きな影響を与えてきたことはまぎれもない事実です