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ジェラルド・ジェンタ氏の手による世界で唯一のオートクチュール時計

2006年11月末、時計デザイン界の巨匠ジェラルド・ジェンタ氏が来店された折、日本のある熱狂的なジェンタファンの依頼で世界で1本のオートクチュール時計の製作が始まりました。
ご存知のようにジエラルド・ジェンタ氏はスイス時計デザイン界の巨匠にして、現在のスイス時計再興の立役者です。パテック・フィリップのノーチラス、オーデマ・ピゲのロイヤルオーク、カルティエのパシャ、ブルガリのブルガ リ ・ブルガリを始めとして名だたる有名ブランドのヒット商品はジェンタ氏の手になる物が多いのには驚かさ れます。その一方で以前よりヨーロッパの王侯貴族やアラブの王様の依頼により、世界で1本のオートクチュール時計の製作を手がけてきました。最近ではどのブランドでも限定品の文字をよく目にします。
そして時計ファンにとってはその限定品を手に入れること、ましてやシリアルナンバーの上位を取得することはこの上ない満足でしょう。
しかし、本当に自分だけのオンリーワンを望むなら、時計のオートクチュールに行き着くこともうなずけます。近頃、 オートクチュールを紹介するブランドもちらほら見うけられますが、その大半は文字盤に手を加えたものや機能の変更です。
かつて日本国内ではケースのデザインからディティールに至るまでそのすべてがオーダーメイドで製作される時計は皆無でしょう。そして時計コレクターといえどもそれは叶わぬ夢と諦めて いなかったでしょうか。

ところで、このオートクチュール時計が完成するまでの経緯についてご紹介しましょう。まず、ジェンタ氏自ら依頼者のご要望を聞きながら色鉛筆を使ってスケッチ帳にケースの形状、文字盤等のデザイン及び機能についてデッサン画を描いていきます。 今では、ケースの形状から文字盤・針等のパーツのデザインまでコンピューターグラフィックで作製されるのが一般的ですが、ジェンタ氏の作品はすべて手描きのデッサン画をもとに時計が製作されます。
彼の作品に見られる独創性ややわらかい形状はまさに手で書き上げていくジェンタ氏ならではのデザインです。 依頼者の最終目標は伝説の”グラン・ソネリ”にあるのですが、今回は敢えて機能よりデザインを重視し、しかも カラーダイヤを使うなど、遊び心いっぱいの作品です。 デザイン・機能の概略が固まると次は、ジェンタ氏本人のサイン(レギュラーモデルにはジェンタ氏のサインは入りません)・ブランドロゴの位置、そしてシースルーバックから見えるローターの装飾と基本的なデザインが完成するまでのおよそ2時間があっという間に過ぎていました。勿論依頼者のためにデザインされたケースのシェイプは今後 いかなる場合も転用はされません。(なぜならケースの型起こしからの一個作りには多額の制作コストがかかる からです。)
ジェンタ氏帰国後もメールでのやり取りを重ね細部にわたり修正が加えられていったのですが、当初より依頼者はダイヤモンドのカラー及びクオリティにつき特別なご要望がありました。ケースのベゼルに4ポイントのブルーダイヤ、そして文字盤のインデックスに使用するカラーダイヤについても、ブルー・ ピンク・グリーンの3色にこだわりをお持ちでした。ダイヤのクオリティにつきましては、全てのダイヤのグレー ドを VVSで統一することには問題はありませんでしたが、ベゼルの4ポイントダイヤにつきましては、0,3ct弱で同じ色合い、グレードのブルーダイヤを4石用意することが極めて困難であったため無色透明のホワイトダイヤを採用せざるを得ませんでした。文字盤のインデックスに使用するカラーダイヤにつきましては、ジェンタ氏のアドバイスによりブルー及びピンク ダイヤの2色使いとなりました。 ムーブメントは、スライディングアワーを採用しています。その他、ケースバックのローターにはブルー及びピンクダイヤを贅沢に配置しています。
巨匠ジェラルド・ジェンタ氏のオーダーメイドを所有することは、偉大な画家の絵を所有することに等しく、後世に語り継がれる家宝となることでしょう。

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