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エキリーブルの掲載記事

エキリーブル MJコンテス「エキリーブル」(こころ+バランス=幸せ)
エキリーブルとは心と体のバランスを主眼に、WFP(国連世界食糧計画)の活動や子供の教育問題
そしてオリンピック誘致に至るまで現在身の回りにある課題をテーマに編集されるタウン誌です。
創刊よりSpice of life(人生の香辛料)のタイトルで連載しておりますのでご紹介させていただきます。

※画像をクリックして頂くと、エキリーブル発行会社
 「MJコンテス」さんのサイトをご覧頂けます。

ジャスは自然体で
100fingers近頃いたるところで耳にするジャズ音楽。ジャズ音楽といえばその発祥の地ニューオリンズが昨年ハリケーン・カトリーナで壊滅的な被害を受けたのは記憶に新しい。
まるでバックグランドミュージックのように無意識に心地よく聞いているこの音楽も、いざその専門用語や歴史ましてやジャズ理論となると、妙に体が受け付けなくなるものです。
でも、ジャズに詳しくない人でもジャズの生みの親「ルイ・アームストロング」の名前は聞いたことがあるでしょう。そして、アメリカ音楽を代表するジャズが、当時フランスの植民地であったルイジアナ州ニューオリンズを中心に西洋音楽とアフリカのリズムが混ざり合って出来上がったものであり、ルイジアナは「ルイの土地」、ニューオリンズはかのジャンヌ・ダルクの出生の地オルレアンにちなんで「新しいオルレアン」・ニューオリンズと名づけられたのは非常に興味深い事実です。

数年前ニューヨークに旅行した折、勇気を出してハーレムのジャズライブハウスに出掛けたことがありました。当時ジャズについて何の前知識もなく、恐る恐るライブハウスに入っていったのですが、カウンター越しには黒人の老女が一人タバコをくゆらせアルコールを飲みながらジャズに聞き入っていたのを今でも鮮明に記憶しています。
そのライブハウスは観光客があまり行かない場所らしく、東洋のぎこちないしぐさの珍客に対する周りの物珍しそうな視線に最初はかなり緊張していましたが、そこは陽気なアメリカ人、すぐにプレーヤーが声を掛けてくれ知らずしらず観客と一体になることが出来ました。
日本のライブハウスと異なり、テーブルに座っていた初老の男性が曲の途中で入れ替わり立ち代り自由に即興で演奏に加わり、そしてそこには何のお義理の拍手もなく場内の全員がジャズで一つになっているのが容易に理解できました。 
夜も更け、その場を後に店を出ようとした時、カウンター越しに座っていた黒人の老女に「そこの日本人よ、よく来た」と言って握手を求められたことは今でも忘れられないいい思い出です。
隣のおじさん・おばさんから小さな子供まで、アメリカのジャズ音楽は日常の生活の一部として深く根ざしているようです。

 CDを聞きながら一人でジャズを楽しむのもよいでしょう。でもたまにはライブハウスに行きジャズの生演奏を聞いてみてはいかがでしょうか。敷居が高いと思われたジャズ音楽も、何の抵抗もなくすんなりと受け入れられることに気づかれるでしょう。

今年もあと数日、街のあちこちに飾られたオレンジ色のイルミネーション、おもわず手をかざして暖をとりたくなる。
 ドイツの思想家シラーは時についてこんなことを言っています。「未来はためらいつつ近づき、現在は矢のように速く飛び去り、過去は永久に静かに立っている」と。
2007年に幸あれと祈ります。